『小話② Skyline』
突然ですが、俺は病的な稜線フェチです。
稜線というのは、一般的に、山の峰と峰を結ぶ線のことを言います。そしてそれは地表から山を見た時にできる山と空の境界線と同じものです。
その他にもビル群、田んぼ、大河川、海(水平線)、住宅郡などにも空との境界線が浮かび上がります。これらのことも稜線って言うのかな。
まあ、そいつらの本当の名前を知らないので、全部ひっくるめて稜線と呼んでいます。
(↑羽田空港から見たビル群の稜線)
そして、俺はふと現れるそれらに一度意識を持ってかれてしまったら、そう簡単に帰ってこれなくなってしまうんです。
身近なもので言えば、日が沈みきる直前の空のまるで海中にいるかのようなあの黒と青のグラデーションが、川のあっち側で水平に広がる住宅群に消えていく様子とか、最高だ。
このエジプト旅行でも色んな表情の稜線に出会った。
もし今あなたがどこかで、ある遠くの稜線を眺めていたとして、その稜線上に"誰か"が立っていたとすると、逆にその人から見たこちら側の稜線の上には"あなた"がいるということになる。
つまり言ってしまえば、"誰しも"が今この瞬間そこで何をしていても、何処かから見た果てしなく長い一本の稜線の上にいるということになるんです。
とかなんとか考えたりするわけで...。特に旅先では。
でもこれ地下にいる時はちょっと例外ですね(笑)