『小話① 口喧嘩』


このブログの記事は1投稿、約3500〜5000字くらいあります。
原稿用紙9〜12枚分くらいですね。
そもそも自分は文章を書くのがすごい苦手で、スピードも超遅いので、この量を書くとなるとえらいエネルギーと時間を要します。
なので合間にちょっとした現地の小話とか写真だけの投稿とか挟んでったら、なんかいいかなーと思ってきたんです。

 

 

ちゅうことで今回はエジプトの文化である"口喧嘩"の話。
エジプト人のソレは自分の言い分を通すために言い方に気を遣ったり、論理的な説明で相手をなんとか納得させようという意識はなく、とにかくでっかい声でストレートにバズーカを打ち込むテンション感なので、口論ではなく紛れもない口喧嘩なわけです。
しかもそれが日常茶飯事で、日本だったら明らかに「ありゃりゃ〜。あれはトラブっちゃってんね。」ってくらいの激しいやり取りが街の色んなところで起こっています。

けど、彼らの口喧嘩にはいくつか暗黙のルールが存在していて、その中でも絶対的ルールとして君臨する3つが、
1.どれだけ激昂しても手は出さない。
2.当事者だけで収拾がつかなくなると、第三者のギャラリーが「これはお前がわりぃよ。」とジャッジを下して、その意見が決定権を持っていること。
3.最後には必ず仲直りして終わる。

そもそもエジプト人はとんでもなく素直で人好きで優しくて遠慮しない人たちです。

どれだけ激しく言い合っても、どちらかが負を認めると、互いに頭を冷やしながら最後は笑顔で固い握手とハグを交わします。

それがエジプト流の口喧嘩。

 

例えば、ある日の深夜に、お金を無理やり奪い取ろうとしてきて、道端で散々言い合った相手が、次の日の昼に街ですれ違うと、「Hey!! friend!!」と手を振ってくる、なんてことがありました。

ただ、ナメられがちな我々日本人が小さく出たら、たちまち向こうが得するばかりで、とにかくここは大きく出たもん勝ちなんだなぁと気付いてからは、普段は面倒くさがるところを、血相変えて結構大声で怒鳴ったりできるようになってきます。そして実はこれ、かなり爽快なんです(笑)
そんな環境に身を置いてると、自ずと自分の言いたいことを相手に気兼ねなくぶつけることを覚えて、いつも相手の顔を伺って何も言えなくなってしまう自分はどこかに消えて行きます。

 

しかし、この文化のお陰で一日に何回も何回も喧嘩するハメになったのも事実です(笑)
何かを買うにしろ、乗り物に乗るにしろ、ツアーをお願いするにしろ、交渉が始まったらそれが口喧嘩の口火を切る合図。
その結果、旅の中盤あたりからは、朝起きてまず最初に思うことが「ああ〜。今日も喧嘩三昧だわー。」になって、少し億劫になりながら、くるまってるタオルケットをめくるのでした。。。